最近ベンチャーキャリアについて思うこと
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2015~2020年までは、新卒でベンチャーに行くというのが流行っていた
個人的な感覚ではあるけれども、2015年から2020年までは、新卒でベンチャーに行くというのが流行っていた。僕の周りだけかもしれないけど。「チャレンジの第一歩=ベンチャー企業への就職」という定説は確かに存在した。最近は学生やお客さんの新入社員の方などと話す機会が少なくなったので、そのあたりの雰囲気が分からなくなっている。転職市場においても、「第二新卒でベンチャーに転職」という概念に対して、大手企業に就職した私自身、それを選択することはないが漠然とした焦燥感を感じていた。
会社員当時の自分が感じていた焦燥感の原因
僕自身は2018年に会社員を辞めて、自分で会社を作った。会社ももう四期目に入るので、なんとなくベンチャーとかスタートアップみたいなものに対して客観的な理解ができてきた。会社員当時の自分が感じていた焦燥感の原因は、「自分の人生を自分でコントロールしたいという欲求」だったと理解した。そういう意味では今は完全にコントロールできているので、それは満たされている。ただ、それを追い求めてベンチャー企業に第二新卒で転職した人はどうなったか。周りで大成功を収めている人もいるがそれはごく少数で、多くの人は停滞感を感じている気がする。
話をちょっとだけ逸します。業界にもよるが、スタートアップの多くが、Salesforceという巨大IT企業が提唱するThe modelという売上創出モデル、またはそれに近いモデルに従って事業を営んでいる。(※知らない人はググッてみてください。)この仕組みの本質は「効率性の追求」であり、属人的な個人の価値発揮を良しとしないケースが多い。経営としては最善のソリューションである場合がもちろん存在するが、ポテンシャルの高い個人の職能・ポータブルスキルの獲得という文脈では、正直疑問視をしている。
スタートアップに転職したり新卒入社すると
そういったスタートアップに転職したり新卒入社すると、その事業モデルに沿った職能は手に入る。しかしながらそれは極めてオペレーショナルな能力であり、「自分の人生を自分でコントロールする」という価値観とは位相が異なるものである。つまり(結構強引な帰着ではあるが)、「自分の人生を自分でコントロールするためのチャレンジの第一歩=ベンチャー企業への就職」は上記によって満たせないケースが増えている気がする。上記が成り立つケースもあるが、それは転職市場における自身の流動性の担保(要はマインド的にもスキル的にもベンチャー間での転職ハードルが下がる)ことかなと思うが、それはその個人にとってメリットのあることだとはあまり思えない。
「自分の人生のグリップ感」を求めるのであれば
業界や事業内容、社長や会社のビジョンへの興味や共感があれば、もちろんベンチャー企業への入社は素晴らしいことだと思う。ただ、「自分の人生のグリップ感」を求めるのであれば、違う選択肢があってもいいのではと思う。
例えば、うちの会社(pineal URL)だと、その人の得意領域を活用した仕事で基本給与を渡しつつ、新しく一緒に作った事業についてはインセンティブを会社と個人で平等に分ける、という取り組みを実験的にやっている。不透明かつ交渉必須なストックオプション制度と比較して、とても合理的な制度だと思っている。WEB3領域のDAOから着想を受けた仕組みです。一定の職能や経験があったり、実現したい夢や目標がある人にはとてもいい制度だ。(興味がある人は是非連絡してくださいね!)
今のキャリアに悩んでいる方には、様々な選択肢を持ってもらいたいと思います。