/
pineal

大企業に所属する優秀社員が、どうやって新規事業を進めていけばいいのか

ご無沙汰しております。徳原です。

大学の後輩からリクエストがあったので、こんなテーマで書いてみようと思います。僕自身が大企業出身で、結構苦労したので、今も大企業の中でイノベーションを起こすべく、頑張られている方に是非読んでいただきたいです。

新規事業…私自身も会社員時代にとても苦しみました

僕自身は、会社員(時価総額TOP30位以内)時代にとても幸運ながら、25歳というかなり若いタイミングで、社運のかかった新規事業プロジェクトに(ほぼ)初期メンバーとして参加させてもらうことができました。

とはいえ、営業上がりのただのスポ根人間。果敢にチャレンジしては、きれいに砕け散り続ける日々で結構辛かった。でも、辛かったのは私の性格のみに起因する話ではなく、新規事業創出においていくつか存在する要素を抑えられていなかったからです。
たぶん大きい会社の新規事業創出などは、情報もなくはじめからうまくやれる天才はいないと思います。

独立してから、大小様々な企業の新規事業を自身の経験も踏まえてサポートする中で、抑えておくべきポイントが自分の中で明確になってきました。
一旦なんとなくまとまりそうな気がするので、シェアさせていただきたいなと思います。

新規事業を進めるための重要な要素

新規事業専門!とか唄う人は、Twitterとかによくおられますが、DX!とかサブスクリプション!とかバズワードを連発するだけだと本当に何も生まれないと思います。
成功させるための本質は、データの重要性やビジネスモデルの話ではなく、「推進する個人の心のタフネス」「事業/企画がイケているか」「市場の追い風」だと思う。

どんなに面白い商品/サービスでも、たとえローンチまではうまく言っても、そこから何段も超えなければいけないハードルがあります。

お金をかければ、商品とかサービスの社内の期待値を上げまくれるし、ローンチ当初に顧客に飛びついてもらえるものは作れる(そうじゃないケースももちろんあるけど)。
ただ問題なのは、世に出してからの第2波です。これは、「そこに至るまでの、血のにじむような地道な努力の蓄積」によって決まる。

「血のにじむような地道な努力の蓄積」

これが、以下の2つで実現されます。
①推進する個人の心のタフネス
②事業/企画がイケているか

①に関しては、これは本当につらいものです。
新しいことをするときって、一定数理由なく批判者が出現するんですよね。。
それは組織の論理として仕方がないが、どうしても新しいことに拒絶反応を示す人も多い。
あとどんな提案をしても、主観的な判断しかしてくれない上司も存在する。
このあたりは、本当にテクニックはなく、説得したり納得してもらったりというのは簡単にはいかないので、
時間をかけて、とにかく結果が出るまで耐えしのぐしかないです。
僕はメンタル強いと思ってましたが、会社員時代に一回完全に心が折れてしまったことがあります。
そのときは、今でも本当に感謝してますが、面倒見のいい先輩型が助けてくれました。
状況が改善されることは稀なので、仲間を作ることを頑張ったほうがいいです!そのためには、とにかく事業について熱っぽく人に話すことを続けるのが良いと思います。

②に関して、ここがとてもやっかいです。
この、「事業/企画がイケているか」を正しく評価できていないと、確実にポシャります。
スタートアップにはリーン・スタートアップという言葉があるように、とにかく積極的に市場に出していくということが必要になりますが、
大企業の場合は大きな意思決定の回数が限られてる場合が多いです。つまりリーンに事業を進めていくことが結構難しいです。
開発的な言葉で言うと、完全なアジャイル型は成り立たないので、ある程度ウォーターフォールで進める必要があります。
なので、あらかじめ設計書をちゃんと作っておく必要があります。
ただ、ここが難しくて、変に社内評価や期待値が高いと、この努力の蓄積を正確に評価できない。

なので、マネジメント目線でも、事業/企画を推進していく担当目線でも、指標を明確にしておく必要があります。
次の章で、私が考える評価指標を具体的に記載していきます。

新規事業の評価指標にどんなものがあるか

もちろん会社の状況や考えられている事業によるので、一概には言えませんが、
多くの企業にこれは当てはまると思います。例えば、以下それぞれを10点満点でスコアリングして評価する、などの指標はつくられたほうが良いと思います。

【立ち上げ当初

適切な課題設定
課題解決後の市場に対するインパクトが矮小である場合は、スケーラブルな事業展開を望めないため優先度が下がる

既存コア事業とのシナジー
既存のコア事業とのシナジーが薄ければストレッチ時の事業投資が難しい

実現可能性
当たり前だが、提供しようとするサービスやプロダクトの構築の難易度が高すぎる場合は、プロジェクトの難易度も上がる

社内協力体制の構築可能性
流用可能な社内リソースが思い当たらない場合は、人材の外部調達が必須となり、高コストな事業運営を余儀なくされてしまう

【一定期間経ったら】

事業計画の妥当性
事業計画中に致命的な欠陥やリスクが発見されないこと

コンセプト受容性
顧客に対するヒアリングを行い、サービス/プロダクトのPOCが確立できているか

設定した課題の妥当性
事業シーズ時点より、どこまで課題が深堀りされているか。また課題とプロダクト/サービスがどこまでリンクしているか

簡単に書いてしまいましたが、細かく知りたい!などの方がおられたら気軽にDMください~

とはいえ、完璧は無理。市場の追い風にも頼りましょう

こうやって書くとかなり大変ですよね。これを一人で全部準備しきることは本当に難しい。
色々書いてしまいましたが、完璧を目指さなくてもいい!ということも大切です。
上記のような要素が社内稟議上で不要な場合は、全てを考慮しきる必要はないかもしれません。
ただ、「今この要素に対する考慮がまだ欠けている」ということは忘れないように気をつけていただいたほうが、あとからクリティカルな手戻りが無くよいかなと思います。

新規事業の立ち上げはマネジメント側も担当者側も多大な心理ストレスを抱えることになります。
多少営業っぽくなってしまいますが(笑)、中にいると上記の指標などは冷静に判断することが難しくなる場合が多いですし、
モチベーションを常に高く維持することも、事業成功において非常に大切な要素なので、私のような人間の外部サポートが必要な場合は、気軽にご連絡いただければと思いますー!!

ではまたー!

デジタルマーケティングでお悩みの際はピネアルへご相談ください

関連記事