ダイドードリンコ様では、自販機とスマホを通信してポイントが貯められるDyDo公式アプリ「Smile STAND(スマイルスタンド)」のユーザー拡大を目的とされたチームで、戦略や方向性を全員で目線を合わせつつ策定していくために、ピネアルの研修(ワークショップ)サービスをご利用いただきました。その取り組みと研修後のご状況をお伺いします。

貴社の事業内容と中田様の役割を教えてください

徳原

まず始めに、貴社の事業内容、またその中でも中田さまのお役割を教えてください。

ダイドードリンコ中田氏

弊社の事業内容は、自販機を利用した清涼飲料販売を主な事業として行っています。その中でも私の役割は、弊社の公式アプリ「Smile STAND」を介して、弊社の商品を一本でも多く、お客様の方に手に取っていただくこと。そして、そのあとも長く愛飲していただくこと。これらを達成していくために、新商品のご紹介やポイントプログラムのご提供、またユーザー限定のキャンペーンなど、自販機利用時の「楽しみ」というところをお届けできるような施策を日々検討することが大きな役割となっています。

徳原

一言でいうとCRMプログラムの推進、その中でも中田さんがプロジェクトの企画・進行を担われているということですね。

なぜ、ピネアルの研修サービスを受けようと思いましたか?

ダイドードリンコ中田氏

そもそも弊社が Smile STAND という公式アプリを提供していく中で、ユーザーの拡大が必須事項になっていました。その一方でサービスをリリースしてからアプリのユーザー拡大という取り組みに課題を感じていました。

徳原

その「課題」というのは具体的にどのような課題でしたか?

ダイドードリンコ中田氏

さらなるユーザーの拡大をどうしていこうかという点で、これまでのやり方をずっと続けていてもなかなか変わらないので、新しい切り口や別の視点からの戦略立案が必要だよね、といった課題を感じていました。そこで弊社の中井(執行役員)のご紹介を受け、pinealさんとお話をさせていただく中で、サービスを受けてみようと思った次第です。

徳原

ちなみにその戦略を作らなければいけない、というお話ですけれども、多くの方にご参加いただきましたよね。会議やワークショップを行わせていただいた際には5、6名の方が参加されていましたよね?

ダイドードリンコ中田氏

そうですね、7名くらいでしたね。

徳原

比較的大人数ですよね。その7名全員で、「チーム」として進めるにあたり、どのようにしてユーザー獲得を伸ばしていくか、という共通認識の構築は意図として当初からおありでしたか?

ダイドードリンコ中田氏

そうですね。弊社の体制上、戦略の立案は私個人といいますか、チームで連携して立案するという形をつくりきれていなかったということがありました。でも、こういう機会であれば、みんなで戦略立案を考えていくうえで認識の統一といいますか、セットアップから必要だろう、と思っていましたね。

徳原

多くのメーカーさんやCRMサービスをやられている会社さんは、戦略とインターフェースは存在するけれど、それを社内で推進していく人がいないですよね。

ダイドードリンコ中田氏

はい。

徳原

社内で仲間を獲得できないようなこともあるので、同じ場で、同じような議論をして共通認識を吸い上げていくということも大事だと思っています。

ピネアルの研修サービスに期待した点は何でしたか?

徳原

そういった課題の中で、pinealのサービスを始めるにあたり、始まる前の期待値でどういうところまで持っていければいい、というイメージがあったかということをお聞きしたいのですが、最初は不安もおありだったと思います。

ダイドードリンコ中田氏

そうですね。

徳原

研修サービスを始める段階で、「どういう姿になっていればいいな」「戦略と組織がそれぞれ終わったタイミングでこうなっていればいいな」というようなイメージはおありでしたか?

ダイドードリンコ中田氏

ユーザーの拡大といった点で、限られた予算の中でいかに実現確度の高い戦略とユーザーの拡大に向けたロードマップについて、経営陣に納得してもらえるようなしっかりとした提案ができればいいな、と思っていました。経営陣が納得できるような形で最終的な戦略を立案できることが期待値としては大きかったと思います。

徳原

そうですよね。マイルストーンは経営陣への報告といったところでしたので、そこをしっかりと仕上げていく。しかも、チームのコンセンサスが取れた状態でしっかりと仕上げていくということが重要であったということですよね。

ダイドードリンコ中田氏

そうですね。あと大きかったことは、受ける前というより受けたあとの話になるかもしれませんが、ターゲティングを含め、ピネアルさんのワークショップを介してプロセスを追った中で戦略を立案する、というところがあったからこそ、最終的な立案とエグゼキューションの創出に繋がったと思っています。これまで自社でやってきた取り組みよりもそのプロセスがしっかりと明確であって、経営陣も納得できる形で提出できた。そこは経営陣が納得した大きなポイントになったと思います。経営陣が納得するようなプロセスを踏んで、戦略立案まで持っていくという点が、サービスを受ける前からの期待値に繋がっていました。

徳原

実際、経営陣に納得してもらう戦略みたいなものを短期間で描いていくことはなかなか難しく、ハードなことだと思います。

ダイドードリンコ中田氏

そうですね。

ピネアルの研修サービスを選んだポイントは何でしたか?

徳原

弊社ピネアルに対して、良い意味での期待値を持っていただけたのだと思いますが、具体的にどのような点に期待して、最終的に弊社を推してもらえたポイントはどういう点でしたか?

ダイドードリンコ中田氏

弊社の執行役員からの紹介とはいえ、最初はpinealさんが本当に我々の期待する最終到達点までもっていってくれるのか、という不安は正直ありました。そこから徳原さんとミーティングを行った中で不安を拭うことができました。

徳原

たとえば、どのような点から不安が払拭されたのでしょうか?

ダイドードリンコ中田氏

たとえば、ピネアルさんが過去に行った他社さんの事例説明の中で、我々が持っていない視点での課題解決を行い、体制も含めた構築をされたというお話ですかね。まさに我々が課題としているところでの解決策を持っていると思ったところが一つ、不安を拭うところでした。あとは他社さんの事例だけではなく、弊社の現況をヒアリングしてもらう中で、即座に我々の課題を見つけてもらえたところでしょうか。ここまでスピーディーに自分たちの課題についてご指摘を頂いたことには、正直驚きました。

徳原

そうだったんですね。

ダイドードリンコ中田氏

はい。「そこって確かにそうだよね」と、我々が本来気づくべき点を徳原さんに短時間で見つけていただいたんですよね。そういったミーティングを踏んでいく過程でpinealさんであれば、我々が求める期待値までもっていってくれるな、と最終的に研修を受けることになりました。

研修サービスを受けられたあとのご状況はいかがですか?

徳原

次に実際にやってみてどうでしたか、という部分ですけれども…実際に作成された戦略の提言に関して、経営陣の反応はいかがでしたか?

ダイドードリンコ中田氏

経営陣の反応としては、立案した戦略をあらためて提案した中で、検討するプロセスや最終的なアウトプットの質において、非常に納得感のあるものだと評価してもらいましたね。

徳原

それはよかったですね。

ダイドードリンコ中田氏

はい。中期的な継続を踏まえた戦略として経営陣に評価をしてもらえたというのは非常に大きかったと思っています。

これまで戦略戦術を策定するプロセスはどのようなものでしたか?

徳原

自分たちで考えて戦略を作りきるということにある種、今まであまり取り組んでこなかったという部分もあったと思いますが、そのあたりはいかがですか?

ダイドードリンコ中田氏

やはりプロセスをしっかり踏んで検討したといったところは我々にとっては新しかったですね。最終的なエグゼキューションから代理店さんに依頼という流れはこれまでもありました。たとえば、「こういうキャンペーンをやりたいです」「Web広告やりたいです」ということを代理店さんにお願いするプロセスは多かったんですけれど、「そもそも今の課題は何だっけ?」や、「そこから先のターゲティングをどうしようか?」というような戦略を立案するプロセスを踏めていなかったので、そこはやはり大きかったと思います。

徳原

そこがまさに目指している姿なので、そう言っていただけると有難いですね。そうすると、経営陣に対して提言された戦略というのは、これまでのものとは少し違う観点などが含まれていたものになっていたのでしょうか?アウトプットされたものはどういうものでしたか?社内リソースの活用など様々な観点が盛り込まれたことがポイントだと思っているのですが、過去の戦略的なものとの差異や違いについて、あらためてお伺いしたいです。

ダイドードリンコ中田氏

自社のリソースをうまく活用しきれていなかったところはありますね。それを悪く言えば、お金で解決しようとしていただけというか、少し浅い考えの中で戦略を立てていたのかなと思います。ただ、今回の取り組みの中でリソースを最大限活用することが効率的にユーザーを獲得できるという結論に至っています。そこに関して少し諦めていた部分もあって、パンドラの箱ではないけれどあまり触れないようにしてきた部分でもあった。そこを第三者の視点から、課題を解決するのであればそこのリソースを最大限使っていくべきだ、という提言は今までと違うといいますか、我々が自社だけでやっていたのではなかなか出せなかった部分だと思いますね。

徳原

意外に自社のリソースを使って何かをする、ということがパンドラの箱のようにずっとブラックボックスで残っていることが結構あるなと思っています。

ダイドードリンコ中田氏

ありますね、そこにメスを入れていただけたところは大きかったですね。

徳原

私も、メーカーに所属して様々な戦略やDXを推進していた時代においては、社内調整に非常に苦労していましたし、そこはすごく課題でした。

ダイドードリンコ中田氏

そうですよね。他の会社さんでもより大きい会社であればあるほど、特にそこは大きいのではないでしょうか。

最後にメーカーマーケターの方に一言お願いします

徳原

ピネアルでは、「Pineal Makers Academy」という研修事業を通じて、中田さんのように社内で新しいことやより良いことをデジタルの力を駆使してどんどん推進されていく方を強力に応援したいと思っています。たとえば、組織的な壁であったり、戦略上の壁であったり、代理店を含めたビジネスの構造上の問題などいろいろな課題がある中で、同様の課題を持ったメーカーさんが沢山おられると思うのですが、そういった課題に悩まれる中で、今は改善の兆しが見えて進める状態になったというところが今の中田さんの状況だと思います。同じように悩まれている方に中田さんから一言いただけますか?

ダイドードリンコ中田氏

限られた予算の中で最大限リソースを使いながらどう進めていくのか、という点はどこの会社さんも悩まれているところかなと思います。そこの最適解を知りたいとか、第三者的な視点から新しい発見を見つけたい、ということであれば、pinealさんにお願いしてみるというのも一つだと思います。

徳原

自分たちで考えていてもどうしても思考の癖、考える癖などがあるので、まったく新しいソリューションを思いつくことはなかなか難しいですよね。まずは自社のビジネスモデルをきちんと理解してもらったうえで、明確なプロセスやフレームワークに則って検討を進めるといろいろなものが見えてくるはずだから、一回そのプロセスを回してみてもいいのではないか、ということでしょうか。

ダイドードリンコ中田氏

そうですね。本当にそう思いますね。

ダイドードリンコ株式会社 自販機営業企画部 機材開発グループ マネージャー 中田斉司氏
インタビュアー:株式会社pineal 代表取締役社長 徳原靖也氏