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問い合わせ対応に追われていた現場を変えたAIチャッ...

2026.5.14

支援事例 - AI

問い合わせ対応に追われていた現場を変えたAIチャットボット構築|日立インダストリアルプロダクツ様

株式会社日立インダストリアルプロダクツ 機械システム事業部
製造部 副部長 佐山 竜一 氏
機械制御システムグループ 企画員 菊地 純 氏
企画部 技師 松枝 亜矢子 氏

インタビュアー:株式会社ピネアル コンサルタント 寺山 洸紀(左から2人目)

貴社の事業内容について教えてください。

松枝:当社は大きく2つの事業部に分かれていて、私たちは機械システム事業部に所属しています。主要製品は、ポンプ、送風機、圧縮機、ロジスティクスシステム、そして各種試験装置です。これらの製品の開発・製造を行っています。

菊地:当社はBtoBで、製品は一般の方が直接使うものではなく、企業の設備として導入され、現場の業務を支える形で使われます。量産ではなく、一品受注型で、お客様の環境や規模に合わせて個別に設計・製造し、納入後も保守点検を続けていきます。ポンプは主に自治体や電力会社に、圧縮機は石油・天然ガスのプラント向けで海外案件がメインです。ロジスティクスシステムは大型倉庫の中を自動で走るロボットや機器制御システム、試験機は新幹線の走行試験装置や建築物の耐震振動台などを手がけています。

寺山:長期にわたる製品づくりの中で、どんなやりがいを感じていますか。

菊地:10年、20年と動き続けるような社会インフラに携われている点です。止まったら困りますし、社会的責任が大きい分、自分たちの仕事が生活を支えていると実感できる点に、大きなやりがいを感じています。

寺山:大きなプロジェクトだし、国のインフラに直結している。すごくやりがいがありますね。

AIエージェント開発に至った背景を教えてください。

松枝:生成AIへの関心が高まり、社内でも活用を模索し始めたころ、当時の社長から「機械システム事業部は元気があるから、生成AIのワーキンググループを作ってやってみたらどうだ」という提案があって。これを受けて2024年に社内でもちゃんと使えるようにする狙いで、企画部主導のワーキンググループを立ち上げました。各部門から約20名が参加し、各自が活用事例を持ち寄って意見交換しました。

寺山:その中で、ターゲットにしたのはどんな業務だったのですか。

松枝:ワーキンググループの中で多かったのが、チャットボットを作りたいという声でした。でも作り方が分からない、うまくいかないという壁がありました。同じタイミングで、財務部の固定資産担当者から問い合わせ対応の自動化について相談を受けて、全部門でニーズがあり負担軽減の効果が大きそうな固定資産判定の業務を対象にしました。

今回対象となった「固定資産判定」業務について詳しく教えてください。

松枝:自社使用のために購入するものが固定資産になるのかならないのか、というところから始まって、金額によって判定も変わってきます。いつも同じ人が申請するわけではなく、その都度変わるので、初めての人はどのマニュアルを見ればいいか分からず、結局財務部に問い合わせることになってしまいます。

寺山:実際、どれくらいの負荷がかかっていたんですか。

松枝:時期によっては、1日中問い合わせ対応に追われ、他の業務に十分な時間を割けない日もありました。固定資産の担当者も、本来は決算事務や棚卸、原価業務など人がやらなければいけない業務があるのに、問い合わせの対応に手を取られてしまっていたんです。

寺山:しかも専任じゃないんですよね、その問い合わせ対応。

松枝:そうなんです。だからこそ、そこの負担を軽くしたかったんです。

ピネアルを知った経緯と、依頼の決め手を教えてください。

菊地:2024年秋の「第5回 AI・人工知能EXPO」でピネアルさんの展示を見たのがきっかけです。当時、正直AIに対しては「本当にできるの?」という目線でした。でも実際にピネアルさんの展示を見て、プログラミングの知識がなくても人間の言葉でこれだけのアウトプットが出るのかと驚きました。

寺山:他にもAI系の企業はたくさんあったと思うんですが、ピネアルに決めた理由は何だったんですか。

菊地:他の企業はどこも「パッケージ型のAI研修」が売りだったんですけど、ピネアルさんは「長期のインターンシップ型で人材を育てる」という方針だと言っていて。魚そのものじゃなくて、魚の釣り方を教えて返すって、だいぶ慈善的というか。1回きりの研修を繰り返し売る方がビジネスとしてはいいはずなのに、その姿勢に信頼を感じて社内のAIグループに推薦しました。

松枝:初回の打ち合わせの印象が非常に良かったのも大きな決め手です。どの基盤でチャットボットを構築するかという段階から、当社の環境や要望を踏まえて具体的に提案してくださいました。単に開発を請け負うのではなく、一緒に考えながら進めていけるパートナーだと感じました。

開発したAIエージェントについて教えてください。

松枝:固定資産判定や設備の新規営繕関連業務全般に関するチャットボットを作成していただき、初めての人でも担当者に聞くことなく、固定資産に関する手続きをスムーズに進められるようになりました。数多くある社内マニュアルの中から、手続き内容に応じて適切なマニュアルにたどり着けるようプロンプトを作り込んでいただきました。

寺山:実際に触ってみて、最初の印象はいかがでしたか。

松枝:内容が多岐にわたりマニュアル数も多いので、チャットボットも複雑になるだろうと思っていました。でも完成したものは非常にシンプルにまとめられていて驚きました。難しい操作は不要で、数回のやりとりで答えにたどり着ける。まさに私たちが求めていた『誰もが簡単に利用できる』チャットボットでした。

開発を進める中で、印象に残っていることはありますか。

松枝:当初の開発方法では、マニュアル数が多くてAIがうまく読み込めない問題がありました。その時すぐに別のシステムを用いた開発への切り替えを提案していただいて、プロンプトも含めて再構築してくださったのが印象的です。

寺山:ライセンス周りでもいろいろありましたよね。

松枝:そうなんです、当社の問題なんですけど、知識がなくて分からないところがあって。それを「御社の問題でしょ」と突き放さないで、一緒に考えてくださった。できたときには一緒に喜んでくださって、仲間と仕事をしている感覚でした。

寺山:いやあ、僕自身も途中からもう御社のプロジェクトメンバーくらいの気持ちでやってました(笑)。

菊地:イレギュラーな課題に対する判断の的確さと対応スピード、そして丁寧な仕事ぶりを感じました。

研修を受講した感想を教えてください。

寺山:今回は開発だけでなく、御社で自走できるようにするための研修も実施させていただきました。実際に受けてみていかがでしたか。

松枝:チャットボット作成は難しそうなイメージがありましたが、わかりやすく説明いただいて抵抗感がなくなりました。意外と知られていない生成AIのTipsもいくつか教えていただいて、3時間でしたが密度の高い研修でした。私にもできると思いました。

寺山:松枝さんは非エンジニアの立場でしたが、難易度的にはいかがでしたか。

松枝:研修の前に、実際に手を動かしながらチャットボット作成を一緒に体験する機会がありました。その時点で「思っていたより簡単にできるんだな」と感じていたので、今回の研修もスムーズに内容を把握することができました。説明が丁寧で、理解しやすいと感じました。

菊地:僕は「ナレッジを読み込ませて、ユーザーの質問にAIが回答する」という漠然とした認識だったんですが、AIの回答精度が下がる原因や解決策の説明、実際に手を動かしてチャットボットの骨組みを作ることで、認識が明確になりました。今後どんなチャットボットを作ろうかと考えられるところまで成長できたと感じています。

今後の展望について教えてください。

松枝:チャットボットを多くの社員に使ってもらうことで、問い合わせをする側・される側の双方で効率化につながると考えています。担当者が打ち合わせ中や、不在の際、固定資産業務が滞ることもあったので、チャットボットで解決できるケースが増えていくと思います。また、今回構築したプロンプトをベースに、他業務のチャットボットにも展開して効率化の範囲を広げていきたいですね。

寺山:ピネアルに対して、今後の期待があれば教えてください。

松枝:社内では生成AIの活用度にまだ温度差があるので、全員が一定のレベルで活用できるようになるための研修や支援に期待しています。当社のような『モノづくり』の現場に即した具体的なAI活用の提案にも興味があります。

菊地:当社のような独特な『モノづくり』の現場では、一般的な企業の生成AI活用例がそのまま当てはまらないことが多いんです。幅広い活用例の提案を期待しています。

ピネアルを紹介するなら、どう伝えますか。

松枝:スピード感と柔軟性を持ちながら、一緒に考え続けてくれる企業です。

菊地:少数精鋭かつ若手が多く、私のような作業者側の目線で課題解決を考えてくれる企業です。

さいごに

今回は株式会社日立インダストリアルプロダクツの佐山さん、菊地さん、松枝さんに、AIチャット ボット構築と社内AI人材育成の取り組みについてお伺いしました。

ピネアルでは、開発を請け負うだけでなく、クライアント様が自走できるよう現場課題に合わせたA I活用支援を提供しています。 社内業務の効率化や、生成AIの社内浸透にお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

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既存のオペレーションに、AIという「進化」を実装する。「人が減ること」を憂慮するのではなく、AIを使いこなすことで「企業が競争に勝ち抜くこと」を最優先に考えます。

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株式会社日立インダストリアルプロダクツ
https://www.hitachi-ip.co.jp/

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