

こんにちは。クリエイティブディレクターの岩尾です。
ピネアルは、ファーストウッドグループ様のウェブサイトリニューアルを担当しました。
本プロジェクトでは、感情を軸にしたUX(Emotional UX)アプローチによるワークショップを重ねながらリニューアルを進めました。
今回の記事では、プロジェクトの流れと、完成に至るまでの経緯をご紹介します。
ファーストウッドグループは、住宅用木材である構造用集成材、LVL(単板積層材)、再生積層柱などを生産してプレカット加工を行う企業です。
福井県福井市、大野市、栃木県真岡市、青森県六戸町、千葉県香取市に国内最大級の工場を持ち、低コストで高品質の木材製品を一貫生産しています。
ファーストウッドグループ各社のサイトが別々で存在し、トーン&マナーに統一感がなかった
複数サービスがある中で、注力サービスを明確に打ち出せていなかった
採用候補者がサイトを訪問した際、魅力やワクワク感を十分に伝えられていなかった
サイト全体として何を発信していくか、方向性が定まっていなかった
ファーストウッドグループ各社のウェブサイトを統合
点在したサービスの情報とビジュアルを整備し、注力サービスにメリハリをつけて訴求
WebGLを活用した、印象に残る動的なウェブサイト演出の実装
感情×UXワークショップによるメッセージング制作とデザイン制作
ファーストウッドグループ様は、事業内容の整理と見せ方、そして採用強化に課題を抱えていらっしゃいました。ピネアルではサイトのコアとなるコンセプトをワークショップを通じて一緒につくることからご提案し、プロジェクトがスタートしました。
ここからは、その一連の流れをご紹介します。
ファーストウッドグループ様のサイトには、お取引先、グループ社員、採用候補者など、様々なターゲットが存在します。
まずはそれぞれのステークホルダーがサイトに何を求めているかを、感情軸に洗い出しました。その上で、感情を満たすためのコンテンツアイディエーションをワークショップ形式で実施しました。

ピネアルでは、ターゲットユーザーに対し機能的ではなくより深い感情へアプローチすることで、行動量を最大化するコンテンツづくりを行なっています。
感情に適切にアプローチできれば、ユーザーは自ら行動をし、その行動が成果につながります。この好循環を生み出すことが、クリエイティブジャンプを生むと考えています。
「学生は、どんな気持ちを満たしたくてこのページを開いているのか」
「お取引先は、何を求めてこのサイトを訪れるのか」
こうした感情の流れを描きながら、ゴールまでの体験を設計するのが私たちのサイト制作におけるスタイルです。

ワークショップを通じて最も多く挙がった言葉が「共感」でした。
「事業への共感、人への共感を通じてファーストウッドグループを知ってもらい、より深く好きになってもらう」ことを軸に、コンテンツ設計を行いました。
また、これまでは扱う技術と製品情報をベースに構築されていたサイトを見直し、事業全体のテーマとなる「循環」をサイト全体のコアな価値として表現しました。
「植える」→「育てる」→「伐る」→「植える」というサイクルから生まれる、再生可能な自然資源。ファーストウッドグループは木を伐り、加工する企業から、森林環境を次世代に残すことを前提に、木を有効活用し、価値を生み出す企業へ。ウェブサイトリニューアルを通じて、その変化を表現しました。

トップページでは、WebGLによる3Dアニメーションで“木が巡る”リングを表現しました。
植林から加工、住宅や家具などの価値創造、そしてまた植林へ。循環する様子を動きのある表現に落とし込んでいます。
さらに、環境への想いを伝えるコンテンツもページ上部で訴求。「見た目からも内容からも、循環が感じられる」構造を意識して制作をしています。

ウェブサイトを制作する過程で、実際に全国の工場に訪問させていただきました。広大な敷地面積を誇るファーストウッドグループ様の各工場は圧巻。その中にある工程の緻密さ、ロボットによる作業導入など、現地でしか得られない気づきがありました。
訪問時には、社員の方にもインタビューを実施。仕事に対する想いやこだわりなどを丁寧にヒアリングし、共感を生むためのコンテンツへ昇華させました。
インタビュー記事の最後には、「私の好きな場所」というコンテンツを掲載しており、通常の記事では見られない社員のプライベートな一面も紹介しています。

お取引先やグループ外の方に向けては、「規模感」と「信頼感」をどう伝えるかに注力しました。
「循環」というコアメッセージを軸に、全工場で撮影を実施しビジュアルを刷新。ドローンでの工場の空撮動画、工場内外のスチール撮影を行い、トーン&マナーと、一目で伝わる規模感を表現しました。
納品時には、ファーストウッドグループ社内から印象的な反応をいただきました。
「うちの事業って、こんなに広がりがあったんですね」
「こんなに素敵な環境で働いてたんだ」
社員の皆さんが自分の会社を誇らしく思う姿を見られたのは、このプロジェクトを通じての喜びのひとつでした。

ピネアルのサイトリニューアルは、「公開して終わり」ではありません。サイト上の情報更新が止まってしまえば、どれだけ整備されたサイトでも、ユーザーには「動きのない企業」として映り、企業の「今」の魅力や熱量が伝わらなくなってしまいます。
今回は、情報発信を続ける仕組みそのものも設計しました。
事業の動きを紹介する「ピックアップエリア」の新設や、各社のお知らせ記事の統合など、新しい情報や見せたい情報を気軽に発信できる仕組みを整備。サイト公開時には更新マニュアルの提供と合わせて、更新講習会を実施しました。
ウェブサイトのリニューアルを「自分ごと化」することを目指して、現場への落とし込みを行いました。

公開後、「自分の仕事が誇らしくなった」「自慢できるものになった」という声を多くいただきました。
こうした声をいただける瞬間こそ、感情をデザインすることの意味だと感じています。
UXをつくるということは、単にユーザーを動かすことではありません。働く人、作る人、見る人、全ての人の心に同じ方向の熱を灯すことだと考えています。
今回のプロジェクトは、その想いを改めて確認できた機会となりました。
これからもピネアルは、感情を軸にしたUXで、人と企業が本音でつながる瞬間をデザインしていきます。
感情を軸にしたUXワークショップ、サイト制作にご興味のある方は、お問い合わせフォームからお問い合わせください。
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